何を測るかを先に決める
坐と向は定めた軸線の両端で、半周離れています。玄関の開口、バルコニーの縁、住戸の主な正面、建物全体の軸は一致するとは限りません。玄関の向きをそのまま建物の向きとしないことが大切です。図に始点、終点、外向きの矢印を描き、対象を明記します。流派による取向の違いを比べる際も、それぞれの定義を残し、定義の差を機器の誤差と混同しないようにします。
測る前に基準図を作る
間取り図で測るドア、窓、外壁を囲み、室内と屋外を示します。信頼できる北向きの表示がなければ、画面の上を北と決めつけません。同じ対象に繰り返し合わせられる軸線を決めてから測定位置を選びます。ドアから窓、外壁へ対象を変えれば、数値が近くても同じものの再測定にはなりません。
- 機器とモード:端末や羅盤の機種、アプリ、磁北・真北の設定を記録します。不明なら「基準未確認」と書きます。
- 位置と干渉:測定場所を撮影し、金属扉、家電、磁石付きアクセサリの有無を記録します。再測定でも同じ軸線を使います。
磁北と真北を明記する
コンパスは磁場を基準に方向を示しますが、地理上の北は地理的北極を指します。両者の角度差である磁気偏角は場所と時期によって変わります。スマートフォンでは真北の設定を確認し、すべての機器が同じ基準だと考えないようにします。東偏を正、西偏を負とすれば、真方位角は磁方位角に偏角を加え、一周の範囲に直した値です。伝統的な読盤でどちらを使うかは別途明示します。
角度の換算を確認する
例えば磁方位角が 170°、その場所と日の偏角が西偏 4° なら、真方位角は 166°、反対向きは 346° です。これは換算例であり、4° を別の場所に流用できません。また 359° と 1° はどちらも北に近いため、単純平均で 180° とするのは不適切です。方位は円周上の量として扱い、最終的な山名だけでなく元の読数も保存します。
不確かさも記録に残す
金属構造物、磁性アクセサリー、周辺環境はスマートフォンのコンパスに影響します。明らかな干渉源から離れ、同じ軸線を別の位置からも測り、日時、機器、立ち位置、読数の幅を記録します。区分境界が 7.5° で測定値が 7° から 8° なら、一意には分類できません。小数桁を増やしても不確かさは消えません。日常の間取り記録は情報共有に役立ちますが、施工の墨出しには適切な測量が必要です。
検証できる記録の例
記録例:居間の南側窓から外へ向かう法線。A 点は窓の内側、B 点も同じ方向に合わせる。同じ端末の磁北モードで、A は 169°・170°・170°、B は 170°・171°。金属製の窓枠あり。「南側」は位置の説明であり、角度の代わりではありません。169°〜171° の幅を残し、干渉を確認してから判断します。一つの値だけを正解として選びません。
その後に、北の基準を明示して換算し、方位区分と照合します。測定日と場所も添えます。窓の向き、建物全体の向き、流派が採用する宅向は別々に保存します。家具配置、日照、伝統的な方位を検討するとき、どの軸線の話なのか確認できます。
参考資料・関連文献
以下の資料は、概念とその出典の確認に用いています。伝統的な用語の解説は、その予測効果が検証されていることを意味しません。
